バングラデシュ政府が日本企業に異例の優先権を
2017年6月19日付け。日刊建設工業新聞が1面で報じた記事によると、国土交通省はバングラデシュ政府との間で、同国のPPP(官民連携)事業に日本企業が優先的に参画できるようにする新たな枠組みを構築した。
同国PPP庁と共同設置する場で特定したプロジェクトは、競争入札を経ずに日本企業が優先交渉権者になれる。政府間合意に基づき、日本企業が相手国事業に有利な条件で参画できるようにする枠組みは、極めて珍しい事例となる。
15日に東京都目黒区の在京バングラデシュ大使館で開かれた日バングラデシュ建設・不動産業セミナーで、国交省の海堀安喜官房建設流通政策審議官と同国PPP庁のウディン長官がPPPに関する枠組みを定めた基本合意書(MOU)を交わした。
MOUによると今後両国間で設ける「ジョイントプラットフォーム」で、バングラデシュ側が提示している四十数件に及ぶPPP事業リストや日本企業からの提案、さらに両国間で議論の対象案件の中から、日本企業に優先交渉権を付与する事業を特定。発注元となるバングラデシュの各政府機関と優先交渉権を得た企業で、契約交渉に入れるようにする。
国交省は、同国PPP事業に参画を希望するゼネコンや不動産会社、関連団体(海外建設協会、海外エコシティプロジェクト協議会等)などでつくるワーキンググループ(WG)を早々に立ち上げる予定。WG参加企業の中から優先交渉権を得る企業を選出する。
バングラデシュのPPP関連法体系には、一定の枠組みの中で競争入札を経ずに優先交渉権者を特定できる仕組みがあり、今回のMOUはその第1弾となる。