バングラへの海外直接投資額が31%増へ

海外からの直接投資は前年比31%増

2021年までにバングラデシュを中間所得国に引き上げ、2041年までに先進国入りを目指す「ソナーバングラ」の実現に向けてバングラデシュ政府は直接投資の誘致を強化しています。アジア諸国の中でも特に、バングラデシュは海外からの直接投資を積極的に誘致している国としても有名ですが、アパレル・繊維に関する投資以外の誘致が課題。軽工業から重工業へ産業シフトする上で、エネルギーや流通網(交通渋滞の解消含め)の整備が課題になっています。以下、デイリー・スターニューデリー局(Sankei biz掲載)が報じた記事をご紹介致します。

産経ビズが報じたニュース

バングラデシュは、国外からの直接投資(FDI)の誘致活動を強化する方針だ。バングラデシュ銀行(中央銀行)によると、2015年のFDI流入額は27億ドル(約2941億円)で前年比31%増となった。政府は41年までの先進国入りを目指し、規制緩和などを推進して投資の呼び込みに注力する。現地紙デイリー・スターなどが報じた。

 

15年のFDIの内訳は、再投資が同15%増の11億4000万ドル、企業・グループ内融資が倍増の7億9500万ドルだった。一方、新規投資は7億5800万ドルで1.2%減少した。分野別ではアパレルが5億8900万ドルでトップ、以下、銀行が3億7700万ドル、エネルギーが3億5000万ドルで続いた。

 

国・地域別では米国が5億7800万ドル、英国が3億1000万ドル、韓国が2億2700万ドルでトップ3となった。日本は8200万ドルで10番目、中国は5700万ドルだった。主要産業のアパレル業を中心に進出企業の再投資などが活発だったものの、新規投資は減少しており、政府は今後、新規投資の誘致に注力するとしている。

インフラ整備やサプライチェーンの構築が課題

専門家は新規投資の減少について、空港や港、道路など基礎インフラの整備が遅れていることや、小規模投資に対応できないなど制度・政策面で柔軟性に欠けていることが要因と分析。サプライチェーン(供給網)の構築が遅れているのも新規の投資家を遠ざけている一因と述べた。

 

世界銀行が毎年発表するビジネスのしやすさランキングの最新版で、バングラデシュは189カ国・地域中174位と下位に低迷している。アブドル財務相は「外国から人材、技術、投資を受け入れる準備はかつてないほど整っている。投資受け入れに対する渇望もこれまでとは比較にならないほど強い」と述べ、今後は積極的な市場開放とビジネス環境の改善を進める意向を示した。

 

バングラデシュはここ6年の年間平均成長率が6.4%、1人当たり国民総所得(GNI)増加率が9.4%を記録するなど堅調な経済成長が続いている。同相は、国として41年までに先進国入りを目指すとの意向を表明し「野心的な目標なのは承知しているが、過去6年の成長を振り返れば不可能ではない」と述べた。

 

中銀によると、今年1~2月のFDI流入額も前年同期比27.2%増の14億5000万ドルと好調が続く。一層の流入加速のために政府がどのような施策を打ち出すか、投資家の注目が高まっていきそうだ。(ニューデリー支局)引用元:産経ビズ

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