バングラデシュ開発途上国の新たな模範モデルに

ジャパンタイムズ バングラデシュ

JAPAN TIMESの報道

G7伊勢志摩サミットの開催に合わせ、2016年5月24日に英字メディアJAPAN TIMESが報じたバングラデシュ首相(シェイク・ハシナ)のインタビュー記事がありますのでご紹介致します。

バングラデシュが次世代を担う開発途上国の新たな模範モデルに

バングラデシュのGDP成長率と経済指標の推移(パラメーター)において驚くべき成長を遂げている。

 

世界中の誰もが、1971年独立戦争~1980年代まではバングラデシュが国家として成立する事に懐疑的だったが、それらが間違いであった事が証明された。バングラデシュ政府が掲げるソナーバングラ(2021年までに中間所得国へ経済を押し上げる政府ビジョン)に向けて着実に成長を遂げており、シェイクムジブル・ラーマン(現在のハシナ首相の父)が掲げた「国家 Bangabandhu」が今や現実のものとなり始めています。

 

2005~2006年における一人当たりの収入はたったの543ドルでしたが今年は1466ドルに上昇。また、バングラデシュは、過去7年の間に6.3%の持続的なGDP成長率を維持し、今年は7.05パーセントの見込みです。更に、外貨準備額は2005~2006年の3億ドルから、29億ドルに急増。そして貧困率は、1990年には56%だったものが2015年には22.4%に大幅改善されています。

アジア諸国では外資民間企業が最も進出しやすいリベラル国

バングラデシュ経済開発のためには海外からの企業や投資が重要だと考え、バングラデシュ国内資源を活用した海外投資の環境整備に力を入れていることから、近隣アジア諸国の中では最も海外投資に対して開放的(リベラル)です。民間セクターへの開放もアジア諸国随一のため、FDI(直接投資)の危険因子が最も小さくなっています。

 

格付け大手のS&P、ムーディーズ、フィッチの信用格付は安定した見通しで、それぞれBB、BA3、BBの評価。また外資資本の出口戦略においては100%許可、利益を簡単に送金できる仕組みになっています。

強固な軍事態勢により、テロなどの社会的脅威を阻止

バングラデシュは宗教的・文化的において、調和を誇る単一民族国家。政府は、紛争やテロ活動の阻止に対する政策を追求し、近年、世界的な脅威となり始めている過激主義組織との闘争も回避できています。

豊富な人的資源がアドバンテージとなる「バングラデシュ」

バングラデシュは15才~64才の人口比率が全体の65.62%になっており、この「人口ボーナス」は、国の発展と成長に大きく貢献。特に若い労働力はバングラデシュ経済発展のけん引力となっています。

 

2021年のソナーバングラの実現に向けて、政府はインフラ(不動産・土木建築・交通・発電エネルギーなど)、通信、貿易に注力。発電容量は以前の3倍になったものの、更なるエネルギー安全保障を確保するため、2021年まで24,000メガワットを生成することを計画しています。また、2021年までに、原子力発電所の建設・稼働を推進する計画です。

輸出セクターの強化策

衣類はバングラデシュの主要輸出品目ですが、政府は地域の主要市場を活用することにより、輸出品目の多様化を推進。ナレッジエコノミー・技術・キャパシティ・ビルディング、そして企業の発展と投資への統合政策を強化する事で最適なバリューチェーンを構築していきます。

国策として女性の社会進出を後押し

女性の進出に関して、G7伊勢志摩サミットで議論されますが、バングラデシュでは国の開発プロセスにおける女性の主流化を最優先にしています。女性のための平等な機会及び資格を確保することを目指し、野心的で大胆なプロキャリアの女性開発戦略を掲げています。

 

バングラデシュ政府は、女性の教育、経済的・社会的自立に関する政策にウェイトを置いてきましたが、近年、この戦略が大きな結果を残し始めています。女子の無料教育への取り組みは2014年のグローバル・ジェンダー・ギャップ報告書に142カ国の中で68位にランクされました。小学校~大学院まで約1720万の学生は様々な奨学金プログラムでカバーされています。また、政府は途中退学率を減らすため、貧困世帯においては無償で給食を提供。結果、女子教育においては小学校の就学率がほぼ100%に達しています。

政治界でも女性の力をフル活用

バングラデシュは、女性の政治的エンパワーメントにおいて第7位にランク付けされており、現在の議会では、70人の女性議員が在籍。更に選挙においては、12,500名以上の女性が、地方公共団体で活躍。首相、野党指導者、ハウス、スピーカーの副リーダーはすべての女性となっています。

ヘルスケア領域にも注力

政府は教育と同レベルの国家予算を、医療・衛生施設などの建設を含めたセクターに投下。末端国民にもその恩恵が広がっています。結果、乳児死亡率は、1990年から2015年の期間で三分の一以下に低下。平均寿命は1990年の71才を基点に12年連続上昇で、女性の平均寿命は男性より1才高くなっています。現在、16,500以上のコミュニティ診療所を通じて女性にリプロダクティブ・ヘルスケアサービスを提供、連合保健センターは全国に広がっています。尚、全土において栄養状態が大幅に改善されており食糧生産においては自給自足国になっています。

戦後の復興から急速に発展し、経済大国になった日本をモデルに

バングラデシュは国家開発のロールモデルとして日本を参考にしています。第二次世界大戦後、日本が短いスパンで世界の経済大国になった再建方法を参考に、バングラデシュも将来、経済大国として浮上したいと強く願っています。

2021年には中所得国、2041年には先進国の仲間入りが目標

バングラデシュ国民の力を信じて、私たちは1971年の独立から50年目の2021年には、中所得国になる事を確信してます。そして更なる発展を遂げ、政府目標としては2041年までに先進国の仲間入りをしたいと考えています。そのために今、バングラデシュと強力なパートナーシップを築いてくれる国家を探している最中です。

日本がバングラデシュの強力なパートナー国に

バングラデシュ進出ナビでも日本とバングラデシュ政府間のニュースに関しては随時情報発信していますが、6000億の円借款支援や日本からの民間企業を優遇した日系専門の投資庁を設置するなど、何かと結びつきが強い両国。政府の後押しもあり、ビジネス界においても更なる支援が見込まれます。今後の動向についてバングラデシュ進出ナビでも情報をキャッチアップしていきますのでご期待ください。

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